ニュージーランドのクラブラグビーを見に行くと、最初に目に入るのはグラウンドでプレーする選手たちです。
でも、その試合が始まるまでには、コーチ、マネージャー、レフェリー、クラブ運営に関わる人、そして多くのボランティアが動いています。
グラウンドの外に目を向けると、地域の日常としてラグビーが続いている理由が、少し違って見えてきます。
目次
CHAPTER 1|試合は選手だけではつくれない
3. 役割は一つではない
CHAPTER 2|チームのすぐ近くで支える人たち
4. 選手を育てるコーチ
CHAPTER 3|クラブそのものを動かす人たち
CHAPTER 4|ボランティアが支える文化と課題
10. クラブラグビーの背骨となる存在
11. 毎週積み重なる時間
CHAPTER 5|「支える」ことからラグビーに入る
14. 小さな役割から始められる
最後まで読めば、NZのクラブラグビーを「選手がプレーする場所」だけではなく、地域のさまざまな人が一緒につくる場所として、より理解しやすくなるでしょう。
CHAPTER 1|試合は選手だけではつくれない
1. グラウンドの外にもチームがいる
土曜日の午後、クラブのグラウンドへ行けば、目の前では30人の選手が試合をしています。
しかし、その30人だけで試合が始まるわけではありません。
- 練習を組み立て、選手を準備するコーチ
- 連絡や登録などを担うチームマネージャー
- 試合を進めるレフェリー
- グラウンドやクラブ施設を整える人
- 受付、バー、運営、さまざまな仕事を引き受ける人
グラウンドの外にも、試合を成立させるための「チーム」がいます。
2. NZラグビーを支える数万人の人たち
その規模を数字で見ると、さらに分かりやすくなります。
NZRによると、ラグビーシーズン中のニュージーランドでは、毎週5,000試合以上が行われています。
そこには、
- 160,000人以上の選手
- 約13,000人のコーチ
- 約1,600人のレフェリー
が関わっています。
さらにグラウンドの外では、20,000人を超えるマネージャー、ボランティア、アドミニストレーターがラグビーを支えています。
これらはクラブラグビーだけに限定した人数ではありません。
それでも、NZのラグビーがプレーする人だけではなく、多くの「支える人」によって成立していることが分かります。
3. 役割は一つではない
「ラグビーのボランティア」と聞くと、一つの決まった仕事を想像するかもしれません。
実際には、その役割は非常に幅広くあります。
NZRは例として、
- グラウンドキーパー
- バースタッフ
- チームマネージャー
- フィジオ
- ボードメンバー
などを挙げています。
クラブによって必要な人も、役割の分け方も同じではありません。
大切なのは、ラグビーへの参加は「選手になること」だけではないということです。
CHAPTER 2|チームのすぐ近くで支える人たち
4. 選手を育てるコーチ
選手のすぐ近くにいる存在の一つが、コーチです。
NZRによると、毎シーズン13,000人以上のコーチがラグビーに関わっています。
コーチの仕事は、試合の日に選手を選ぶことだけではありません。
練習を考え、選手とコミュニケーションを取り、チームとして成長できる環境をつくります。
また、担当する年代に応じたコーチ教育も用意されています。
例えば13歳以上の選手を指導するコーチにはRugbySmart、12歳以下ではSmall Blacks Coaching Courseがあります。
クラブや地域ラグビー協会によるサポートや育成機会もあり、選手だけでなくコーチ自身も学びながらラグビーに関わっていく仕組みがあります。
5. 舞台裏を動かすチームマネージャー
試合中にはあまり目立たなくても、チームの日常に欠かせないのがチームマネージャーです。
NZRはチームマネージャーについて、シーズンを安全で、整理され、楽しめるものにする重要な役割と位置づけています。
チーム内のコミュニケーションや準備を整え、選手、コーチ、レフェリー、家族との間をつなぎます。
こうした舞台裏の仕事があることで、選手はプレーに、コーチはコーチングに集中しやすくなります。
試合には映りにくいけれど、チームが一週間を回していくために欠かせない存在。
それがチームマネージャーです。
6. 試合を成立させるレフェリー
そして、試合そのものを成立させるために欠かせないのがレフェリーです。
NZRによると、シーズン中には約1,600人のレフェリーがNZラグビーに関わっています。
レフェリーとして参加するために、最初から長い競技経験が必要なわけではありません。
NZRや地域では、初めてレフェリーをする人に向けたトレーニングや教育、コーチングの仕組みがあります。
地域によってはアシスタントレフェリーから始めることもできます。
選手としてグラウンドに立つ以外にも、笛を持って試合の中に残る道があります。
CHAPTER 3|クラブそのものを動かす人たち
7. 試合の日だけではないクラブの仕事
クラブの仕事は、土曜日の試合だけではありません。
- 選手登録
- チーム編成
- コミュニケーション
- 施設や用具の管理
- クラブイベント
- 会計やガバナンス
- スポンサーや地域との関係
シーズンが始まる前から終わった後まで、クラブを動かす仕事があります。
こうした運営の仕組みそのものは次の記事で詳しく見ていきますが、その仕事を実際に担っているのも一人ひとりの人です。
8. グラウンドからクラブルームまで
試合の日に少し周囲を見渡すと、さまざまな仕事が見えてきます。
- グラウンドを準備する
- 用具を整える
- クラブルームを開ける
- バーやキッチンを動かす
- 試合後の時間を支える
クラブによって施設や運営方法は異なりますが、NZRもグラウンドキーパーやバースタッフなどをラグビーを支える役割として挙げています。
80分の試合の前後にも、クラブラグビーの時間は続いています。
9. 家族やサポーターもクラブの日常にいる
そしてクラブの周りには、正式な役職を持つ人だけがいるわけではありません。
- 選手の家族
- 昔そのクラブでプレーしていた人
- 毎週応援に来るサポーター
- 子どものチームをきっかけにクラブと関わるようになった保護者
クラブによって関わり方はさまざまです。
こうした人たちまで含めて見ると、クラブは単にチームが試合をする場所ではなく、人が何度も戻ってくる地域の場所でもあることが見えてきます。
CHAPTER 4|ボランティアが支える文化と課題
10. クラブラグビーの背骨となる存在
NZRの「Future of Rugby Clubs」最終報告書では、ボランティアをこれまでも、そしてこれからもクラブラグビーを支える中心的な存在として位置づけています。
実際、地域クラブの多くの仕事は、クラブに関わる人たちの時間と協力によって支えられています。
ただし、「NZのクラブラグビーはすべて無償ボランティアだけで運営されている」という意味ではありません。
同報告書では、一部の役割について報酬を求める考えが出ていることも報告されています。
ボランティア文化は今も重要ですが、その形そのものも変化しています。
11. 毎週積み重なる時間
支える人たちがクラブに提供しているのは、役割だけではありません。
時間です。
Future of Rugby Clubsの調査に回答したボランティアを見ると、クラブとの関わりが10年未満の人は平均で週6時間、10年以上の人は平均で週10時間をクラブラグビーに提供していました。
もちろん、これはNZのすべてのラグビーボランティアの平均を示す数字ではなく、調査回答者の結果です。
それでも、一つの試合の背景に、毎週何時間もの準備や運営を積み重ねている人がいることを想像する手がかりになります。
12. 続けるためには支える人も支える必要がある
一方で、ボランティアに頼ればすべて解決するわけではありません。
Future of Rugby Clubsの調査では、回答したクラブの62%が十分なボランティアがいると答えた一方、その確保を毎年続けていくことには難しさがあると報告されています。
また、回答したボランティアの38%は、自分の役割を担うためにさらにリソースや支援が必要だと答えています。
- 人を集める
- 役割を分かりやすくする
- 必要なサポートや育成を提供する
- 次の人へ役割を引き継いでいく
クラブラグビーを未来へ残すには、ラグビーを支える人たち自身を支える仕組みも必要になる。
これは現在のNZクラブラグビーが向き合っている重要なテーマの一つです。
CHAPTER 5|「支える」ことからラグビーに入る
13. プレーしなくてもクラブに参加できる
ここまで見てくると、NZで「ラグビーに参加する」という言葉の意味が少し広がります。
- 選手になる
- コーチになる
- レフェリーになる
- チームをマネージする
- クラブ運営を手伝う
- グラウンドやクラブルームを支える
NZRも「Find your place」という案内の中で、プレー、レフェリー、コーチ、マネージャー、ボランティアなど、さまざまな入口を提示しています。
プレーしなくても、ラグビーの中に自分の場所を見つけることができます。
14. 小さな役割から始められる
ラグビー経験がないから、クラブには関われない。
必ずしもそうではありません。
NZRは、選手だけでなくコーチ、マネージャー、ボランティア、アドミニストレーターなど、さまざまな役割からラグビーに参加できると案内しています。
オークランドラグビーも、クラブでボランティアをしたい人に対して、近くのクラブを探し、クラブの担当者へ声をかける方法を案内しています。
すべての人が大きな役割を最初から引き受ける必要はありません。
自分ができることからクラブに関わる。
そこから人を知り、クラブを知り、地域のラグビーを知っていく。
それもNZラグビーへの一つの入口です。
15. 人を見るとクラブラグビーの姿が変わる
試合を見るとき、ボールを追えば選手が見えます。
でも、少し視線をグラウンドの外へ広げてみる。
- タッチラインにいるコーチ
- チームを動かすマネージャー
- 笛を持つレフェリー
- クラブルームで働く人
- グラウンドを整える人
- 運営を担う人
- そして毎週クラブへ戻ってくる家族やサポーター
試合に出ている30人だけではなく、その80分をつくるために何人が動いているのかを見る。
そこから、ニュージーランドでラグビーが単なるスポーツではなく、地域の日常として続いている理由が見えてきます。
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選手側からクラブを見ると、プレミア、リザーブ、年代別、U85kg、プレジデンツなど、さまざまな参加の形があります。
知れば知るほど、もっと面白い。ニュージーランドラグビー。
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