日本とNZをつなぐラグビー留学とは?学校・大学での交流を分かりやすく解説

ニュージーランドへのラグビー留学というと、毎日ラグビーをして、強いチームでプレーする姿を想像するかもしれません。

しかしNZで得られるものは、ラグビーの時間だけではありません。学校で学び、英語で生活し、チームや地域の人たちと過ごすことも、一つの大きな経験になります。

日本とNZをつなぐ学校・大学年代の交流をたどると、ラグビーが海外の教育や文化、人との出会いへの入口にもなっていることが見えてくるでしょう。

目次

CHAPTER 1|「ラグビー留学」とは何だろう?

1. ラグビーだけをしに行くとは限らない

2. 学校・生活・ラグビーが一つの経験になる

3. 短期と長期では経験できることが違う

CHAPTER 2|NZの学校でラグビーをする

4. NZでは学校ラグビーが大きな世界を持っている

5. First XVだけが学校ラグビーではない

6. 学校と地域クラブという二つの環境

7. 留学生も現地のルールと環境の中でプレーする

CHAPTER 3|日本とNZをつないできた学校交流

8. 英語とラグビーを組み合わせた留学もある

9. ホームステイもNZを知る経験になる

10. 学校同士がラグビーを通じて出会う

11. 試合の外にも交流がある

CHAPTER 4|大学年代にもつながりがある

12. NZには大学ラグビーの世界もある

13. New Zealand Universitiesというチーム

14. 日本との大学ラグビー交流は1936年まで遡る

15. 2026年には日本U20とNZで対戦

CHAPTER 5|留学の先に何がある?

16. 留学すればトップ選手になれるわけではない

17. ラグビー以外の成長も大きな価値になる

18. NZラグビーを「生活の中から知る」ということ

最後まで読めば、NZへのラグビー留学が、ラグビーだけではなく教育・生活・文化・人との交流まで含む経験であることを、より立体的に捉えられるでしょう。

CHAPTER 1|「ラグビー留学」とは何だろう?

1. ラグビーだけをしに行くとは限らない

「ラグビー留学」という言葉で呼ばれる経験には、さまざまな形があります。

例えば、

  • NZの学校へ通いながらラグビーをする
  • 短期間NZを訪れ、英語とラグビーを経験する
  • 現地の学校やチームと交流する
  • ホームステイをしながらNZで生活する
  • 条件を満たして学校や地域クラブでプレーする

といった形があります。

つまり、ラグビー留学は必ずしも「ラグビーの技術だけを学ぶための留学」ではありません。

学ぶこと、プレーすること、そしてNZで暮らすこと。

それらが重なった経験として見ることができます。

2. 学校・生活・ラグビーが一つの経験になる

日本からNZへ来れば、グラウンド以外でも多くの違いに出会います。

  • 学校で授業を受ける
  • 英語でコミュニケーションを取る
  • ホストファミリーと暮らす
  • 新しい友人をつくる
  • 放課後や週末にラグビーをする

ラグビーだけを切り離して経験するのではなく、NZでの生活の中にラグビーがあることが大きな特徴です。

これは、NZラグビーを試合や映像から知るのとは違う経験です。

自分自身がその環境の中へ入ることで、ラグビーが学校や地域、人々の生活とどうつながっているのかに触れることができます。

3. 短期と長期では経験できることが違う

もちろん、すべてのラグビー留学が同じではありません。

短期間のプログラムでは、実際に、

  • 英語研修
  • ラグビートレーニング
  • 現地チームとの交流
  • ホームステイ
  • NZの文化を知る機会

などを組み合わせた事例があります。

一方、より長く滞在する場合には、現地の学校生活やラグビー環境に継続して関わることも考えられます。

どちらが優れているということではありません。

「NZで何を経験したいのか」によって、適した形は変わります。

競技力を高めたいのか。NZのラグビー文化を経験したいのか。英語や海外生活にも挑戦したいのか。

まず目的を考えることが、留学を考える出発点になります。

CHAPTER 2|NZの学校でラグビーをする

4. NZでは学校ラグビーが大きな世界を持っている

NZでは、高校年代のラグビーそのものが大きな競技環境を持っています。

学校ごとにチームがあり、地域や競技レベルに応じたさまざまな大会があります。

その中でもFirst XVはよく知られていますが、学校ラグビーはFirst XVだけではありません。

年代や競技レベルに応じて複数のチームが存在する学校もあり、女子ラグビーやSevensなどもあります。

そして優れた選手にとっては、学校やクラブでのプレーが、その先の選考や育成環境につながる場合もあります。

New Zealand SchoolsやU18のような環境も、その先にある選択肢の一つです。

5. First XVだけが学校ラグビーではない

日本からNZラグビーを見ると、有名校のFirst XVに目が向きやすいかもしれません。

しかし、NZでラグビーを経験する目的が「First XVへ入ること」とは限りません。

重要なのは、自分に合った環境で実際にプレーできることです。

強豪校へ行って試合に出られないより、自分に合ったチームで継続的に練習し、試合を経験する方が目的に合う選手もいるでしょう。

学校名の有名さだけではなく、

  • どんなチームがあるのか
  • 自分の年代にプレー機会があるか
  • どのレベルで競争するのか
  • コーチング環境はどうか
  • 学校生活とのバランスはどうか

を見ることも重要です。

「どの学校へ行くか」と同じくらい、「そこでどんなラグビー生活を送れるか」を考える必要があります。

6. 学校と地域クラブという二つの環境

NZの高校年代の選手がラグビーをする場所は、学校だけではありません。

地域クラブもNZラグビーを支える重要な環境です。

NZ Rugbyは2025年、高校年代のU18対象選手の約30%が前年にクラブラグビーでプレーしていたと説明しています。

また、学校にFirst XVがなく、合同学校チームにも参加できないU18選手がクラブラグビーでプレーしながらNew Zealand Schoolsの選考対象になれる仕組みも導入されました。

さらに2026年のU18プログラムでは、学校とクラブの双方から選手を推薦できる仕組みになっています。

つまり、NZの高校年代を理解するときは、

  • 学校ラグビー
  • 地域クラブラグビー

の両方を見る必要があります。

日本人選手がNZへ行く場合も、「学校に入ればすべてのラグビー環境が決まる」と考えるのではなく、滞在地域にどのような学校・クラブ・大会があるのかを見ることが重要です。

7. 留学生も現地のルールと環境の中でプレーする

NZへ留学したからといって、自動的に希望するチームや大会でプレーできるわけではありません。

実際に公式なラグビーへ参加する場合には、状況に応じて、

  • 学校やチームの参加条件
  • 選手登録
  • 年齢や大会規定
  • 国を移って公式にプレーする際の国際移籍・登録手続き
  • 学校への入学条件
  • NZで学び、滞在するための条件

などを確認する必要があります。

海外からNZへ移って公式にラグビーをプレーする場合には、International Clearanceが必要になります。

一方で、これは単にNZでCampやClinic、トレーニングを経験することと同じではありません。

また、学校への入学・滞在資格と、ラグビーの登録・大会参加資格も別のものです。

さらに、New Zealand Schools、U18、U20などの育成・代表環境には、それぞれ選考があります。

「NZへ行くこと」と「希望する競技環境でプレーできること」は別です。

だからこそ、留学先を決める前に、学校だけでなく実際のラグビー環境まで確認することが重要です。

CHAPTER 3|日本とNZをつないできた学校交流

8. 英語とラグビーを組み合わせた留学もある

日本とNZの間では、ラグビーと教育を組み合わせた交流も行われてきました。

その一例が、女子高校生を対象に行われた「Game On English」です。

スポーツ庁による国際交流事業の中で、NZ政府系機関Education New ZealandによるGame On Englishを活用した派遣が行われました。

例えば2017年度には、日本の女子高校生がBay of Plentyへ約3週間派遣され、

  • 英語研修
  • ラグビートレーニング
  • 現地チームとの交流
  • NZの文化や伝統について学ぶ機会
  • ホームステイ

などを経験しました。

ここに、ラグビー留学の特徴がよく表れています。

目的は「ラグビーだけ」でも「英語だけ」でもありません。

ラグビーを入口に、言葉、文化、生活、人との交流まで経験する。

それもJapan × NZをつなぐ一つの形です。

9. ホームステイもNZを知る経験になる

ホームステイをする場合、NZに触れる時間は練習場だけではありません。

朝起きて、食事をし、学校へ行き、家へ帰り、ホストファミリーと過ごす。

そうした日常そのものが海外生活です。

Game On Englishの参加者も、帰国後に、英語でのコミュニケーション、現地チームとの交流試合、ホストファミリーとの生活などを振り返っています。

ラグビーでは同じルールの下でプレーできても、生活習慣やコミュニケーションの取り方は日本と同じとは限りません。

そうした違いに実際に触れることも、海外でラグビーを経験する一部です。

ラグビー留学の価値を考えるとき、グラウンドの外で過ごす時間も重要になります。

10. 学校同士がラグビーを通じて出会う

日本とNZをつなぐ方法は、日本人選手がNZへ留学することだけではありません。

NZの学校が日本を訪れる方向もあります。

その具体例が、福岡県で開催されるSANIX World Rugby Youth Tournamentです。

2024年にはNZから、

  • 男子15人制|Southland Boys High School
  • 女子Sevens|Manukura School

が参加しました。

2025年には、

  • 男子15人制|Hamilton Boys High School
  • 女子Sevens|Howick College

が参加しています。

つまりJapan → NZだけではなく、NZ → Japanという学校年代の交流もあります。

人が両方向に動くことで、Japan × NZの学校ラグビーの接点が生まれています。

11. 試合の外にも交流がある

SANIXのような大会でも、経験は試合だけではありません。

2025年大会についてJRFUは、国際的な文化交流も大会の重要な要素として紹介しています。

男子チームは同じ施設で滞在し、

  • 食事
  • 交流活動
  • 選手同士のコミュニケーション

などを通して、グラウンドの外でも接する機会があります。

試合では相手だった選手と、試合が終われば同じ場所で食事をする。

そこから会話や交流が生まれることもあるでしょう。

ラグビーがなければ出会わなかったかもしれない人と出会う。

学校年代の国際交流には、勝敗とは別の価値もあります。

CHAPTER 4|大学年代にもつながりがある

12. NZには大学ラグビーの世界もある

学校を卒業した後も、ラグビーと教育の関係がなくなるわけではありません。

NZでは大学に通いながらラグビーを続ける選手もいます。

大学、地域クラブ、州代表など、それぞれの選手が置かれる環境は一様ではありません。

それでも、「大学生であること」と「ラグビー選手であること」を両立しながらプレーする環境があります。

そして大学年代にも、Japan × NZの国際的な接点があります。

13. New Zealand Universitiesというチーム

その一つがNew Zealand Universitiesです。

NZ各地の大学クラブでプレーする現役大学生や卒業間もない選手などによって構成されるチームです。

All BlacksやNew Zealand U20とは異なる存在ですが、大学ラグビーを背景に持つ選手が国内外の相手とプレーする機会をつくっています。

ここで興味深いのは、NZラグビーの国際交流が代表チームだけで完結していないことです。

大学ラグビーにも、国境を越えて人と人がつながる入口があります。

14. 日本との大学ラグビー交流は1936年まで遡る

New Zealand Universitiesと日本ラグビーの関係は、最近始まったものではありません。

New Zealand Universitiesによると、日本ラグビーとの交流は1936年まで遡ります。

その後も両国の大学ラグビーはさまざまな形で接点を持ち、近年にも交流は続いています。

2025年にはNew Zealand Universitiesが日本を訪れ、Japan U20やJapan XVと対戦しました。

つまり大学ラグビーは、Japan × NZの関係の中で、長い歴史を持つ一つの交流ルートでもあります。

15. 2026年には日本U20とNZで対戦

2026年には、今度は日本U20がNZへ遠征しました。

日本U20はJunior World Championshipへ向けた準備として、

  • Hawke’s Bay Development
  • New Zealand Universities
  • New Zealand Universities

との計3試合を行いました。

New Zealand Universitiesとの2試合はいずれもHamiltonで開催され、第2戦はChiefs対BluesのSuper Rugby Pacific戦の前に行われました。

日本側にとっては世界大会へ向けた実戦機会。

NZ側にとっても、日本の若い代表選手とプレーする国際的な機会です。

そしてNew Zealand Universitiesは、このシリーズを日本ラグビーとの継続的な友情を祝う機会として位置づけています。

1936年から続く歴史の先に、現在の選手たちが新しい接点をつくっている。

大学ラグビーもまた、世代を越えて日本とNZをつなぐ場所になっています。

CHAPTER 5|留学の先に何がある?

16. 留学すればトップ選手になれるわけではない

ラグビー留学を考えるうえで、ここは明確にしておく必要があります。

NZへ行けば、トップ選手になれるわけではありません。

有名な学校へ入ったからといって、First XV、U18、New Zealand U20、州代表、Super Rugbyへ自動的に進めるわけでもありません。

上のレベルへ進むには、それぞれの環境でプレーし、競争し、評価され、選考される必要があります。

だから、

「NZへ行けば上手くなる」

と考えるより、

「NZへ行くことで、これまでとは違う環境で学び、プレーする機会を得られる」

と考える方が実態に近いでしょう。

17. ラグビー以外の成長も大きな価値になる

そして、すべての留学生がプロラグビー選手を目指す必要もありません。

NZで生活すれば、

  • 英語を使う
  • 自分で考える
  • 知らない人と関係をつくる
  • 異なる文化の中で生活する
  • チームの中に自分の居場所をつくる
  • 思い通りにならない経験に向き合う

場面も出てくるでしょう。

それによって何を学び、どう変わるかは一人ひとり違います。

NZでのラグビーをきっかけに、海外へもっと興味を持つ人もいるでしょう。

英語を学び続ける人、再びNZへ戻る人、コーチになる人、ラグビーとは別の分野で海外と関わる人もいるかもしれません。

留学後の道は一つではありません。

18. NZラグビーを「生活の中から知る」ということ

NZラグビーを知る方法は、All Blacksを見ることだけではありません。

実際に、

  • 学校へ行く
  • 地域のグラウンドへ行く
  • チームメイトと練習する
  • ホストファミリーと暮らす
  • 試合のあとに相手選手と話す

という経験もあります。

そうした日常の中に入ることで、NZラグビーが単なるスポーツではなく、学校、地域、家族、人間関係とつながっていることに気づくかもしれません。

そして、それこそがラグビー留学の面白さの一つです。

ラグビーを入口に、それまで知らなかった国の教育、文化、コミュニティ、人と出会う。

その経験から何を持ち帰り、その先どこへ進むのかは、一人ひとり違います。

ラグビーは、その新しい世界への扉の一つです。

知れば知るほど、もっと面白い。

ニュージーランドラグビー。