ニュージーランドのティーンエイジャーは、みんな学校でラグビーをするのでしょうか。
それとも、地域のラグビークラブでプレーするのでしょうか。
答えは、どちらか一方ではありません。
地域や学校、性別、チーム環境によって、スクールラグビーが大きな入口になる場合もあれば、クラブでプレーする場合、学校とクラブの両方が関わる場合もあります。
この記事では、NZのティーンエイジャーがどこでラグビーをするのかを、オークランドやカンタベリー、女子ラグビーの例から見ていきます。
目次
CHAPTER 1|学校かクラブか、答えは一つではない
CHAPTER 2|地域によって仕組みが変わる
CHAPTER 3|女子ラグビーではさらに柔軟
7. 学校でプレーする
8. クラブでプレーする
9. 学校とクラブが協力する
CHAPTER 4|二つの世界ではなく、つながる世界
この記事を最後まで読むと、スクールラグビーとクラブラグビーがどのように関係し、なぜ地域によって仕組みが違うのかが見えてきます。
CHAPTER 1|学校かクラブか、答えは一つではない
1. NZ全国で同じ仕組みではない
ニュージーランドのティーンエイジャーのラグビーを見ていると、まず気づくのが、全国で同じ仕組みになっているわけではないことです。
スクールラグビーが大きな入口になっている地域もあれば、クラブチームが同じ年代の大会に参加する地域もあります。
さらに女子ラグビーでは、学校とクラブが協力しながらプレー環境をつくるケースもあります。
つまり、「スクールラグビーか、クラブラグビーか」という二択で考えるよりも、
その地域では、ティーンエイジャーがラグビーを続けるために、どんな環境が用意されているのか。
と見る方が実態に近いです。
2. スクールラグビーが大きな入口になる地域
オークランドのように、セカンダリースクールの中に複数のラグビーチームやカテゴリーが用意されている地域では、学校を通じてラグビーに参加する形が見えやすくなります。
例えば学校によっては、次のようなチームやカテゴリーがあります。
- 1st XV
- 2nd XVなどのチーム
- 年代別カテゴリー
- Restricted(参加条件付き)カテゴリー
- 女子チーム
こうした地域では、学校に入る → 学校チームでプレーするという流れが分かりやすく見えます。
ただし、学校に所属している選手が必ず学校だけでプレーするとは限りません。
3. クラブラグビーが関わるケースもある
学校に自分が参加できるチームがない場合や、地域の仕組みによっては、クラブが選択肢になることもあります。
例えばオークランドでは、学校に自分が参加できるチームがない16歳以上の選手について、条件を満たせばシニアのクラブラグビーでプレーできる場合があります。
また、地域によってはティーンエイジャー年代そのもののクラブチームがあります。
ここで大切なのは、スクールラグビーとクラブラグビーが、完全に切り離された二つの世界ではないということです。
CHAPTER 2|地域によって仕組みが変わる
4. オークランド|学校を通じた参加が見えやすい
オークランドでは、セカンダリースクールのラグビー大会が大きな存在です。
男子には1Aをはじめ複数のカテゴリーがあり、年代別や参加条件付きカテゴリーもあります。
女子にも学校単位の大会があります。
そのため、ティーンエイジャー年代では、学校を通じてラグビーに参加する形が見えやすい地域です。
ただし、これは「オークランドではクラブが関係しない」という意味ではありません。
学校に適切なチームがない場合や、年齢・参加条件によってはクラブへつながることもあります。
5. カンタベリー|学校とクラブが同じ大会に入る地域もある
カンタベリーでは、さらに違う姿が見えます。
Canterbury Rugbyは、ティーンエイジャー男子のラグビーについて、学校とクラブを同じ大会の中に含む仕組みがあることを地域の特徴として紹介しています。
特にNorth Canterburyでは、次のカテゴリーに学校チームとクラブチームの両方が参加します。
- Year 9/10
- Year 11/12/13
つまり、スクールラグビーの大会とクラブラグビーの大会が完全に分かれているのではなく、同じティーンエイジャー年代の大会に、学校とクラブ双方のチームが参加するケースがあります。
ただし、カンタベリーのすべてのカテゴリーが同じ仕組みというわけではありません。
地域やカテゴリーによって形は異なります。
だからこそ、カンタベリーは「学校とクラブの境界が全国で同じではない」ことを理解する分かりやすい例です。
6. 地域によって「普通」が違う
ここまでを見るだけでも、NZのティーンエイジャーのラグビーに全国共通の一つの形がないことが分かります。
| 地域・ケース | 主な特徴 |
|---|---|
| オークランド | スクールラグビーが大きな入口。学校内に複数カテゴリーがある |
| ノース・カンタベリー | 学校チームとクラブチームが同じ年代の大会に参加する |
| 女子ラグビー | 学校、クラブ、両者が協力する形など、地域事情に応じて柔軟 |
同じ13〜17歳頃の選手でも、住んでいる地域が変われば、次のような点が変わることがあります。
- どこで登録するのか
- 誰とチームを組むのか
- どんな大会に参加するのか
これも、NZラグビーを一つのピラミッドだけでは説明しにくい理由の一つです。
CHAPTER 3|女子ラグビーではさらに柔軟
7. 学校でプレーする
女子ラグビーでも、学校チームは大きな入口です。
地域によっては女子1st XVや10人制、年代別カテゴリーなどがあり、学校の中でラグビーを始めることができます。
友人と一緒に参加できることや、学校生活の中で練習や試合に参加しやすいことも、スクールラグビーの特徴です。
ただし、すべての学校に女子ラグビーチームがあるわけではありません。
8. クラブでプレーする
学校に女子チームがない場合、クラブがプレー環境を提供することがあります。
地域のクラブがティーンエイジャー女子のチームを持っていたり、学校では十分な参加機会がない選手に別の選択肢を提供したりする場合があります。
つまり、「学校にチームがないからラグビーができない」とは限りません。
学校の外にあるクラブが、別の入口になることがあります。
9. 学校とクラブが協力する
NZRの女子ラグビーの方針では、ティーンエイジャー年代について、次のような形が想定されています。
- 学校を中心にする形
- クラブを中心にする形
- 学校とクラブを組み合わせる形
ここで重要なのは、制度の形そのものよりも、選手が継続してプレーできる環境をつくることです。
学校だけでは十分な参加機会をつくれない場合に、学校とクラブが協力してプレー環境をつくることもあります。
つまり女子ラグビーでは特に、「学校かクラブか」よりも、「どうすれば選手がラグビーを続けられるか」という考え方が見えやすくなっています。
CHAPTER 4|二つの世界ではなく、つながる世界
10. スクールラグビーとクラブラグビーは完全に別ではない
「School Rugby vs Club Rugby」という言葉だけを見ると、学校とクラブのどちらを選ぶのか、という二択のように見えるかもしれません。
しかし実際には、両者の関係は地域によって違います。
- 学校にチームがない選手にクラブという選択肢がある
- 学校とクラブが同じ大会に参加する地域がある
- 女子では、学校とクラブが協力して参加機会をつくる
このように、スクールラグビーとクラブラグビーを完全に別々の二つの世界として考える必要はありません。
地域によっては、両者が補い合いながらティーンエイジャーのラグビーを支えています。
11. 自分に合った環境でラグビーを続ける
ティーンエイジャー年代で重要なのは、全員が同じ場所、同じ方法でラグビーをすることではありません。
ある選手には学校のチームが合うかもしれません。
別の選手には、地域のクラブが合うかもしれません。
また、学校とクラブの両方が関わる環境でプレーする選手もいます。
選手の年齢、経験、友人関係、学校のチーム数、地域の大会構造などによって、選択肢は変わります。
「どちらが正しいか」ではなく、「どこならその選手がラグビーを続けられるか」。
NZのティーンエイジャーのラグビーでは、こうした視点が重要になります。
12. NZのティーンエイジャーのラグビーは一つの形ではない
この記事を通して見えてきたのは、スクールラグビーとクラブラグビーの境界は、地域によって違うということです。
- オークランドでは、学校を通じた参加が見えやすい
- North Canterburyでは、学校とクラブのチームが同じ大会でプレーする
- 女子ラグビーでは、学校、クラブ、両者が協力する形が使われる
つまりNZのティーンエイジャーのラグビーを理解するときには、「学校かクラブか」という一つの問いだけでは足りません。
むしろ、その地域では、どんな選手が、どんな場所で、どんな形ならラグビーを続けられるのか。
そこを見ることで、NZのティーンエイジャーのラグビーの姿がよりはっきり見えてきます。
そして次に気になるのが、「では、1st XV、U15、Premier、Restrictedなどのカテゴリーは、どういう意味なの?」という点です。
次の記事では、NZのスクールラグビーに登場する年代別・大会別・参加条件付きカテゴリーの違いを、初心者向けに解説します。
