ニュージーランドのスクールラグビーは、日本とは季節も学校年度も違います。
多くの地域では、年の初めからチームづくりが進み、秋から冬にかけて毎週の試合が行われ、8月頃に地域大会のFinalを迎えます。その後には、Winter Tournament Weekやセブンズなど別の大会へ続くこともあります。
この記事では、ニュージーランドのティーンエイジャー年代のラグビーが、一年の中でどのように動いていくのかを時間軸で見ていきます。
目次
CHAPTER 1|まずNZの学校年度を知る
2. 日本とは季節が逆になる
CHAPTER 2|シーズンが始まるまで
CHAPTER 3|冬のスクールラグビー
8. 8月頃|地域Finalへ
CHAPTER 4|地域大会のその先
10. Term 4にもラグビーは続く
この記事を最後まで読むと、NZのスクールラグビーが「いつ始まり、いつ最も盛り上がり、その後どこへ続いていくのか」を、一年の流れとして理解できるようになります。
CHAPTER 1|まずNZの学校年度を知る
1. NZの学校は4つのTermに分かれる
ニュージーランドのスクールラグビーの一年を理解するには、まず学校年度を知っておくと分かりやすくなります。
NZの学校年度は、基本的に次の4つのTerm(学期)に分かれています。
- Term 1|1月末〜4月初旬頃
- Term 2|4月後半〜7月初旬頃
- Term 3|7月後半〜9月下旬頃
- Term 4|10月中旬〜12月頃
日本では4月に新年度が始まりますが、ニュージーランドでは1月末〜2月頃に新しい学校年度が始まるのが大きな違いです。
そのため、ラグビーのチームづくりも日本より早い時期から動き始めます。
※Termの具体的な開始日・終了日は毎年変わります。
2. 日本とは季節が逆になる
もう一つ、日本人にとって重要なのが季節です。
ニュージーランドは南半球にあるため、日本とは季節が逆です。
日本で春から夏へ向かう4〜8月は、NZでは秋から冬にあたります。
つまりNZのスクールラグビーは、秋に始まり、冬にピークを迎えるスポーツとして見ると分かりやすくなります。
日本の高校ラグビーでは冬の全国大会が強い印象を持つ人も多いと思いますが、NZでは学校の通常シーズンそのものが冬の学校生活の中に組み込まれています。
3. ラグビーシーズンはTerm 2〜3が中心
主要地域の大会を見ると、スクールラグビーの中心となるのはTerm 2からTerm 3です。
例えば2026年には、次のような形でシーズンが始まりました。
- オークランド男子1A|5月2日に開幕
- ウェリントン男子|5月2日に開幕
- カンタベリーFirst XV Premiership|4月末に開幕
いずれもTerm 2の始まりとほぼ重なっています。
その後、冬の間に毎週試合を行い、8月頃に地域のFinalを迎えるのが典型的な流れです。
ただし、これは全国一律の日程ではありません。
地域、男子・女子、年代、カテゴリーによって開始時期や終了時期は違います。
CHAPTER 2|シーズンが始まるまで
4. Term 1を中心に登録・トライアル・チーム編成
公式戦が始まる前から、学校では準備が進んでいます。
多くの学校ではTerm 1を中心に、例えば次のような準備が行われます。
- ラグビーへの登録
- 説明会
- トライアル(選考練習)
- チーム分け
- コーチの決定
- プレシーズン練習
- 練習試合
学校やチームによっては、前年のTerm 4から選考や準備が始まるケースもあります。
1st XVをはじめ上位チームでは、公式戦よりかなり前から本格的な準備が始まることもあります。
一方で、すべてのチームが同じ方法で選手を選ぶわけではありません。
学校やカテゴリーによって、年齢、経験、体重などを含めた条件が異なり、それぞれに合ったチームへ分かれていきます。
5. プレシーズンで新しいチームが動き始める
Term 1後半になると、プレシーズンが本格化する学校も増えてきます。
新しく入学した選手がチームに加わり、前年から残っている選手と一緒に、新しいシーズンのチームをつくっていきます。
ここでは単に体力を戻すだけではありません。
- 新しいポジションを試す
- チームの戦い方を確認する
- 新しい選手同士が関係をつくる
- コーチが選手の特徴を見る
といった時間にもなります。
学校によっては、他校とのプレシーズンマッチや交流試合を行うこともあります。
そしてTerm 2に入ると、いよいよ地域大会が始まります。
CHAPTER 3|冬のスクールラグビー
6. Term 2|地域大会が始まる
4月後半から5月に入ると、多くの地域でスクールラグビーの公式戦が始まります。
ニュージーランドの学校スポーツでは、ラグビーは代表的なWinter Sportの一つです。
オークランドやウェリントンなどでは、男子の多くのカテゴリーが土曜日を中心に行われます。
学校のグラウンドや地域のラグビー場では、例えば次のようなカテゴリーの試合が行われます。
- 1st XV
- 2nd XVなどの学校チーム
- U15などの年代別カテゴリー
- 参加条件付きカテゴリー
- 女子カテゴリー
具体的なカテゴリーの違いについては、別の記事で詳しく見ていきます。
7. Term 2〜3|週末の試合が続く
シーズンに入ると、ラグビーは毎週の学校生活の一部になります。
例えば土曜日の午前中。
学校のグラウンドでは、年齢やカテゴリーの違う複数チームが順番に試合をしていることがあります。
そこにいるのは選手だけではありません。
コーチ、チームマネージャー、保護者、友人、卒業生など、多くの人がグラウンドに集まります。
1st XVのように大きな注目を集める試合もあれば、家族や友人が見守る中で行われる地域の試合もあります。
こうした毎週の積み重ねそのものが、NZのスクールラグビーの中心です。
8. 8月頃|地域Finalへ
シーズンが進むと、各地域の大会はFinalへ向かいます。
2026年には、例えば次のような日程でした。
- オークランド1A Final|8月15日
- ウェリントンの多くのカテゴリーのFinal|8月中旬
- カンタベリーFirst XVのFinal|8月中旬
主要地域では、8月が大きな区切りになっています。
ここで重要なのは、8月のFinal=NZのスクールラグビーすべての終わりではないことです。
地域大会を終えたあとも、上位チームには次の大会が待っていることがあります。
一方で、女子や別カテゴリーでは、少し異なる日程でシーズンが動いている場合もあります。
CHAPTER 4|地域大会のその先
9. Winter Tournament Weekへ
8月末から9月初旬になると、NZの学校スポーツではWinter Tournament Week(ウィンター・トーナメント・ウィーク)と呼ばれる大きな大会期間があります。
2026年は8月31日から9月4日に行われました。
この期間には、ラグビーを含むさまざまな学校スポーツで、地域を越えた大会や全国規模の大会が開催されます。
ラグビーでも、例えば次のような大会がこの時期に行われます。
- 全国規模の大会
- 地域を越えた大会
- 年代別大会
地域大会を勝ち上がった1st XVが、その先の地域大会や全国大会へ進むケースもあります。
ただし、Winter Tournament Weekは単なる「全国大会の週」ではありません。
どんな大会があり、なぜNZの学校スポーツで特別な意味を持つのかは、別の記事で詳しく取り上げます。
10. Term 4にもラグビーは続く
15人制の主要シーズンが終わると、ラグビーが完全に終わるわけではありません。
地域や学校によっては、春になるTerm 4にセブンズなど、15人制とは別の形式のラグビーが行われます。
例えばウェリントンでは、2026年のSevens Regional Championshipsが10月に設定されていました。
つまり一年の流れを見ると、冬の15人制シーズンが終わったあと、別の形のラグビーへ移る選手もいることが分かります。
もちろん、すべての選手・学校が同じ流れをたどるわけではありません。
11. 一年の流れは地域・カテゴリーによって違う
ここまでの流れをまとめると、NZのスクールラグビーには、おおむね次のような一年があります。
| 時期 | スクールラグビーの典型的な動き |
|---|---|
| Term 1を中心に | 登録、トライアル、チーム編成、プレシーズン |
| Term 2前半 | 地域大会が開幕 |
| Term 2〜3 | 毎週のスクールラグビー |
| 8月頃 | 地域Final |
| 8月末〜9月初旬 | Winter Tournament Weekなど |
| Term 4 | セブンズなど |
ただし、この表はNZ全国で必ず同じ日程になるという意味ではありません。
例えばウェリントンの2026年女子大会では、U15が4月29日に始まる一方、U18は6月17日に始まっています。
同じ「スクールラグビー」でも、次の要素によってシーズンの形は変わります。
- 地域
- 男子・女子
- 年代
- カテゴリー
NZのスクールラグビーは、「何月から何月まで」と一本の線を引くより、Term 2〜3の冬を中心に、それぞれの地域やカテゴリーが動いていると捉える方が実態に近いでしょう。
ニュージーランドのスクールラグビーの一年が見えてくると、次に気になるのは、「では、ティーンエイジャーの選手は学校とクラブのどちらでプレーしているの?」ということです。
実は、この答えもニュージーランド全国で一つではありません。
次の記事では、スクールラグビーとクラブラグビーの関係を見ながら、学校でプレーする選手、クラブでプレーする選手、そして両方が交わる地域について整理していきます。
