NZのスクールラグビーは1st XVだけじゃない|2nd XV・年代別・Restrictedを解説

NZのスクールラグビーというと、どうしても1st XVが目立ちます。

学校のトップチームとして注目を集め、地域の上位大会や全国大会へ進むこともあります。

ただし、NZのスクールラグビーは1st XVだけでできているわけではありません。

その周囲には、2nd XVや年代別、学年別、Restricted、体重制限、女子チームなど、さまざまな参加環境があります。

この記事では、1st XVの外側に広がるNZのスクールラグビー全体を見ていきます。

この記事を最後まで読むと、NZのスクールラグビーが1st XVを中心とした一部の選手だけの世界ではなく、多くの選手がそれぞれの環境でプレーする大きな仕組みであることが見えてきます。

CHAPTER 1|1st XVの外側にも大きな世界がある

1. 1st XVは頂点でも、全体ではない

1st XVは、原則として学校のトップの15人制ラグビーチームです。

そのため、試合結果や選手、ライバル校との対戦などが注目されやすく、スクールラグビーの象徴的な存在になることがあります。

ただし、

スクールラグビー = 1st XVではありません。

NZRのルールでも、First XVとそれ以下のスクールラグビーを分けて扱う場面があります。

つまり制度上も、1st XVの外側に大きなスクールラグビーの世界があります。

2. 2nd XV・3rd XVというチームもある

学校によっては、

  • 1st XV
  • 2nd XV
  • 3rd XV

のように、複数のチームを編成する場合があります。

1st XVが第一チームなら、2nd XV、3rd XVはその下に位置する別チームです。

ただし、NZ全国のすべての学校がこの形を採用しているわけではありません。

学校によっては、2nd XVや3rd XVという名称よりも、

  • Year 9/10
  • U15
  • Restricted
  • Weight Restricted

など、別のカテゴリーでチームを編成する場合があります。

つまり、2nd XVや3rd XVは一つの形ではありますが、全国共通の標準構造ではありません。

3. 学校によってチーム構成は違う

ここがNZのスクールラグビーを理解するうえで重要です。

学校の規模、選手数、地域のCompetition、年代構成などによって、チームのつくり方は変わります。

ある学校では、

1st XV → 2nd XV → 3rd XV

という構成かもしれません。

別の学校では、

1st XV → U15 → Restricted

のような構成かもしれません。

さらに別の学校では、体重条件付きカテゴリーや女子チームを組み合わせている場合もあります。

つまり、1st XV以外の世界は、全国で一つの形に統一されているわけではありません。

その学校と地域に合った形で、複数の参加場所がつくられています。

CHAPTER 2|参加するカテゴリーはいくつもある

4. 年代・学年別カテゴリー

1st XV以外のスクールラグビーでは、年代や学校Yearを基準にしたカテゴリーがあります。

例えばカンタベリーでは、

  • Year 9/10
  • Year 11/12/13

といったカテゴリーが実際に運営されています。

これは、学校のトップチームだけではなく、同じような年代の選手同士でプレーする環境をつくる方法の一つです。

特に、まだ上級Yearではない選手や、その年代に合ったCompetitionでプレーしたい選手にとって、年代・学年別カテゴリーは重要な参加場所になります。

5. Restricted・Weight Restricted

参加環境をつくる基準は、年齢や学年だけではありません。

地域によっては、

  • Restricted(参加条件付き)カテゴリー
  • 体重制限カテゴリー(Weight Restricted)

があります。

例えばカンタベリーでは、

  • Year 9/10 U55kg
  • Year 11/12/13 U75kg

というカテゴリーがあります。

このように、学校Yearと体重条件を組み合わせることで、別のCompetitionをつくることもあります。

これは、

1st XVに入るか、ラグビーをしないか。

という二択ではなく、選手に応じた複数の参加環境があることを示しています。

6. 女子チームもスクールラグビーの一部

スクールラグビーには、もちろん女子のチームもあります。

地域によっては、

  • Girls’ 1st XV
  • 10人制
  • 年代別女子カテゴリー

などが行われています。

すべての学校に同じ形の女子チームがあるわけではありませんが、女子のスクールラグビーもTeenage Rugbyを支える重要な一部です。

Article 60では、この女子ラグビーの環境について詳しく見ていきます。

CHAPTER 3|「プレーする機会」も大切にされる

7. Half Game Ruleとは?

NZの1st XV以外のスクールラグビーを理解するとき、重要な仕組みの一つがHalf Game Ruleです。

NZRはこのRuleを、選手が十分なGame Timeを得て、

  • スキルを伸ばす
  • 将来もラグビーを続ける意欲につなげる

ことを目的の一つとして設けています。

First XVは対象外ですが、それ以下のスクールラグビーでは、最低限の出場時間を確保する考え方が使われます。

チームに登録されているだけでなく、実際に試合でプレーする機会をつくる。

こうした考え方も、1st XVの外側にあるスクールラグビーの重要な特徴です。

8. Game Onは試合を成立させる仕組み

もう一つ重要なのがGame Onです。

スクールラグビーでは、試合当日に人数がそろわないこともあります。

そのとき、

15人いないから試合中止。

とするのではなく、条件に応じて人数を調整し、できるだけ試合を成立させる仕組みがあります。

例えば、

  • 14人制
  • 13人制
  • 12人制
  • 11人制
  • 10人制

などに調整することがあります。

Game Onは、試合そのものを成立させ、選手が実際にプレーできる機会を残すための仕組みです。

詳しいルールは後の記事で扱いますが、ここではこの発想そのものが重要です。

9. 競争と参加は両立する

ここで誤解したくないのは、

1st XVは競争、それ以外は参加重視。

という単純な分け方です。

1st XV以外にも、本格的に勝敗を競うCompetitionがあります。

例えばCanterbury Rugbyでは、Year 11/12/13やWeight RestrictedカテゴリーもCompetitive Gradeとして運営されています。

つまり、NZのスクールラグビーでは、競争をなくすのではなく、Competitionを維持しながら、選手が実際にプレーできる機会も確保しようとしていることが分かります。

CHAPTER 4|1st XVだけが価値ではない

10. 1st XV以外にも競争性はある

1st XV以外のチームだからといって、ラグビーが軽いわけではありません。

選手たちはそれぞれのCompetitionで、

  • 勝利を目指す
  • チーム内でポジションを競う
  • スキルを伸ばす
  • ライバルチームと戦う

という経験をします。

年代別カテゴリーでも、Restrictedでも、2nd XVでも、選手にとってはそのシーズンの大切なチームです。

競技レベルの違いと、そのチームでプレーする価値は同じものではありません。

11. さまざまな選手に参加機会がある

スクールラグビーには、

  • 早くから高いレベルでプレーする選手
  • まだ成長途中の選手
  • ラグビーを始めたばかりの選手
  • 体格の異なる選手
  • 仲間と一緒にプレーしたい選手
  • 将来さらに高いレベルを目指す選手

など、さまざまな選手がいます。

全員が同じチーム、同じCompetitionでプレーする必要はありません。

年代、学年、体重などの参加条件、競技レベルなどに応じて複数のカテゴリーがあることで、より多くの選手がプレーできる機会を持ちやすくなります。

12. スクールラグビーの厚みをつくる

1st XVのFinalや全国大会は、多くの注目を集めます。

しかし、その試合だけを見ていては、NZのスクールラグビー全体は見えてきません。

毎週、各地では、

  • 2nd XVや3rd XV
  • 年代別チーム
  • Restrictedチーム
  • Weight Restrictedカテゴリー
  • 女子チーム
  • その他のさまざまなカテゴリー

がそれぞれの試合をしています。

そこで多くのティーンエイジャーが、

  • 練習する
  • 試合に出る
  • 仲間をつくる
  • 勝つ
  • 負ける
  • 成長する

という時間を過ごしています。

この「日常のラグビーの厚み」が、NZのスクールラグビー全体を支えています。

その上に、1st XVという目立つ世界も存在しています。

まとめ|スクールラグビーは1st XVよりずっと広い

1st XVは、NZのスクールラグビーを象徴する重要な存在です。

ただし、その外側にはもっと大きな世界があります。

  • 2nd XV・3rd XV
  • 年代別カテゴリー
  • 学年別カテゴリー
  • Restricted
  • Weight Restricted
  • 女子チーム
  • その他のCompetition

など、学校や地域に応じてさまざまな参加環境があります。

さらにHalf Game RuleやGame Onには、選手が実際にプレーする機会をできるだけ確保するという考え方があります。

つまりNZのスクールラグビーには、

  • 競争する世界
  • より多くの選手にプレー機会をつくる世界

の両方があります。

1st XVだけを見るのではなく、その周囲にいる多くの選手を見ることで、NZのスクールラグビーの本当の大きさが見えてきます。

そして次の記事では、その中でも成長を続けている女子のTeenage Rugbyに焦点を当てます。